美しい瞬間。(令和3年1月5日徳島新聞掲載）

輝く朝の光の中
巨大な橋桁をかかげて
国内最大の起重機船が近づいてくる。
河口からゆっくりゆっくりと。
新町川の両岸には
その壮大な営みを見届けようと、大勢の人々。
船が橋脚まで近づき
風に揺れる橋桁が慎重に慎重に下されてゆく。
長い長い時間をかけて下されてゆく。
なんという力強さ、荘厳さ、そして精緻さ。
固唾を飲んで見守った架設完了の瞬間
人々からあがる感動のどよめきが
黄昏ゆく冬の空に響いた。
人と技術がひとつになった美しい瞬間。
私たちの技術は人のために生まれ、そして使われる。