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「造る」から「防(まも)る」へ 

  いのちのために、46の橋


吉野川は私たちの心の原風景

愛媛県と高知県の県境にそびえる瓶ヶ森(1,896m)と西黒森(1,861m)の間、白猪谷(シライダニ)の標高約1,200mの地点に、美しい水が湧き出しています。この流れは、やがて山に降る雨を集め、幾多の支流の流れを集め、日本有数の大河となり、流域に暮らす人々ばかりか四国の人々にたくさんの恵みをもたらしながら、紀伊水道まで194kmの旅をします。
私たちの吉野川。川に昇る朝陽、沈む夕陽。橋を行き交う車、潜水橋を渡る自転車、かんどり舟。川に集う水鳥、魚、たくさんの生き物、そして人。ここに生きる私たちにも、ふるさとを離れた人々にとっても、吉野川は大切な心の原風景です。


46番目の阿波しらさぎ大橋

その吉野川には、徳島県内で道路橋42(うち自転車歩行者用5、潜水橋8)、鉄道橋4、併せて46の橋が架かっています。いちばん古いものは1927(昭和2)年竣工の三好橋、1989(平成元)年に吊り橋からアーチ橋へ改修され、新たな歴史を刻んでいます。最も新しいのは2012(平成24)年完成、河口に架かる阿波しらさぎ大橋。夜にはLEDに彩られるこの美しい橋は、すばらしい眺めと爽やかな海風を楽しむランニングコースとして賑わい、市内の渋滞緩和の役割を果たしながら、もうすっかり市民の暮らしの中にとけ込んでいます。


社会資本のライフサイクルをマネジメントする

急速に高齢化する私たちの社会では、高度成長とともに形作られてきたインフラも、歳月を重ね老朽化しています。20年後の2030(平成42)年度には、河川管理施設の約60%、道路橋や港湾岸壁では約53%が更新の時期を迎え、その費用は今後50年間で190兆円に膨らむと国土交通省は試算。特に橋梁の老朽化は深刻です。損傷や劣化のため通行止めや重量制限などの規制を講じた橋は4年前の1.7倍に増加しており、社会資本のライフサイクルマネジメントは、南海トラフの巨大地震に対する「防災」「減災」の観点からも最重要課題の一つです。


「ひとを護る」「価値を創る」ストック型社会へ

昨年暮れの中央自動車道笹子トンネルの天井板崩落事故を大きな教訓として、トンネル点検補修をすすめることはもちろん、橋梁の落下防止対策、橋脚補強、耐震強化岸壁の整備、河川や海岸の堤防のかさ上げ、水門の整備、避難路の防災点検と改良、そして公共施設の耐震化など、課題は山ほど。限られた財政状況の中で、適切に維持・管理することで「長寿命化」を実現し、県民のいのちと、地域の暮らしや経済活動を支える重要な基盤を守らねばなりません。

 「ものを築く」から、「ひとを護る」「安全を紡ぐ」「価値を創る」ストック型社会・環境共生社会をめざして。私たちは「防」というキーワードを掲げて、技術革新に挑み続けています。


写真協力

工学博士 加賀晃次氏  
四国建設コンサルタント(株)坂東武氏
徳島県県土整備部

 

 

橋

 

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